「カフェインは集中力を高めるって本当なの…?」
と思っている方。
コーヒーや栄養ドリンクなどに含まれるカフェインは、集中力を高めてくれる働きがあります。勉強や仕事など、ここぞというときにカフェインがあると、強い味方になってくれますよね。
とはいえ、カフェインのとりすぎは逆に集中力を落としてしまうので、注意が必要です。
そこで、この記事では、
- カフェインと集中力の関係
- カフェインの効率的なとり方について
- カフェインの効果
- 適正なカフェインの量とは
- カフェインのとり過ぎによる副作用
について、紹介します。
ちょっとしたコツをつかむだけで、カフェインによる集中力アップの効果を高めることは可能です。
まずはこの記事で、カフェインと集中力について大まかにつかみましょう!
目次
カフェインと集中力の関係
カフェインをとると集中できる、むしろ集中できないなど色んな意見があります。カフェインは集中力にどのような影響を与えるのでしょうか。
1杯のコーヒーで勉強や仕事がはかどる実験結果
150ml(およそカップ1杯)のコーヒーを飲む人たちと飲まない人たちを比べて、作業量などの検証を行った論文『コーヒー摂取による作業成績の向上とストレス反応の軽減』によると、コーヒーを飲んだ人たちの方が作業成績が高かったことが明らかになっています。
カフェイン投与により,自律神経活動が活性化することが報告されている(種村ら,2012)。カフェインの薬理効果として,中枢神経の活性化,注意集中力の向上,筋肉の働きを活性化することなどが明らかにされている(中村,2011)。カフェインの摂取によって,脳内情報処理能力が亢進し,選択的注意力が高まったことを報告している(左達,2010)。
引用:『コーヒー摂取による作業成績の向上とストレス反応の軽減』
このように、カフェインは集中力をアップさせて、生産性を高めるという研究の結果が出ています。
次は、カフェインの効能について、詳しく見ていきますね。
カフェインの代表的な効能3つ
ここでは、カフェインの代表的な効能について
- 眠気を覚ます効果
- 痛みをやわらげる効果
- トイレが近くなる作用
の順に3つ、説明します。
眠気を覚ます効果
カフェインには眠気を覚ます効果があるのは、知っている方も多いはずです。カフェインをとることで眠くなることを防いで、仕事や勉強に集中できます。
痛みをやわらげる効果
カフェインには痛みをやわらげる効果もあります。風邪薬や頭痛薬の成分をよく見ると、カフェインが入っていることも。
ふだんコーヒーや紅茶などを飲まない方でも、意外とカフェインをとっているかもしれないのです。
トイレが近くなる作用
カフェインをとると、トイレが近くなります。なぜならカフェインには利尿作用があるためです。
余分な水分を出すことには、
- むくみを軽くする
- 血圧を下げる
などの効果があります。
しかし、水分を出し過ぎると反対にため込んでしまい、その結果むくみが出ることも。とり過ぎには注意しましょう。
カフェインの効果的なとり方
カフェインの効能を生かすには、どのようにカフェインをとるか、つまりとり方を工夫する必要があります。
ここでは、カフェインのとり方について
- 時間がポイント!昼寝の前にとって、目覚めスッキリ
- 少しの糖分といっしょにとって、集中力UP
- 乳製品といっしょにとって、吸収をおだやかに
の3つのとり方を説明します。
時間がポイント!昼寝の前にとって、目覚めスッキリ
カフェインをとると、その効果が出るまでに20~30分ほどかかります。眠くなって集中力が切れたなと思ったら、コーヒーや紅茶などカフェインの含まれた飲み物を飲んで昼寝をしましょう。
カフェインの覚醒させる効果が出てくる、20~30分後にはスッキリと起きることが可能です。これは「パワーナップ」と呼ばれており、カフェインをとって20分ほど仮眠する方法は、世界じゅうに広まりつつあります。
カフェインと短い昼寝のセットは脳の疲れをとって、再び集中して仕事や勉強に取り組めるようにしてくれますよ。
少しの糖分といっしょにとって、集中力UP
カフェインの集中力アップ効果を最大限に引き出すためには、脳の栄養となるブドウ糖を一緒にとりましょう。
コーヒーに少しの砂糖を溶かす、もしくは一緒にチョコやキャンディを一口食べると、集中力がより高まります。
コーヒーと糖分によるパフォーマンス上昇は、研究結果でも明らかにされています。
しかし、缶コーヒーなどの砂糖が大量に含まれているものには、注意が必要です。血糖値が急に上がることで、インスリンがたくさん分泌されます。
すると大量に出たインスリンの働きで、今度は血糖値が突然さがって、
- 集中できなくなる
- 眠たくなる
- 記憶力が落ちる
などが起こります。カフェインをとったはずが、逆効果につながってしまうので気をつけましょう。
乳製品といっしょにとって、吸収をおだやかに
「自分を操る超集中力」によれば、メンタリストのDaigoさんは集中力を上げるために、午後の眠くなるような時間にヨーグルトを食べてから、コーヒーを飲んで昼寝をしているとのこと。
ヨーグルトといっしょにカフェインをとると、ヨーグルトの脂肪分がカフェインの吸収をおだやかにしてくれます。すると、カフェインが切れたときの反動で体がだるくなってしまうのを防ぐことが可能です。
カフェインをプラスに働かせるためにも、ぜひ試したい食べ合わせですね!
カフェインの安全量とは?
カフェインの適正量は、一般的に1日400mgと言われています。とはいえ、個人差があるのも事実です。
ここでは、安全にとれるカフェインの量について、計算する方法をお伝えします。
体重から計算できる
日本ではカフェイン量についてのはっきりした基準はありません。
しかし、欧州食品安全機関(EFSA)では、健康な成人が摂取するのに安全と考えられるカフェインの量を発表しています。
- 健康な成人:体重1kgあたり3mg(1回の量)、5.7mg(1日の量)
- 少年~青年:体重1kgあたり3mg(1日の量)
- 妊娠・授乳中の女性:1日を通して最大200mgまで
これによると、
- 体重が40kgの人:1回120mg、1日228mgまで
- 体重が60kgの人:1回180mg、1日240mgまで
と計算できます。
やせ型の女性と、妊婦さん、もしくは成人男性では、けっこうな開きがありますね。
カフェインの耐性がない人は特に注意!
体重によってカフェインの適正量は変わるとお伝えしましたが、カフェインへの耐性も人によって違います。カフェイン感受性の高い人は、基準では安全とされている量でも、不快な症状が表れることも。
カフェイン耐性は遺伝子検査で調べることができるので「もしかして、カフェイン耐性ないのかも…」と思っているかたは、一度しらべてみることをおすすめします。
少量のカフェインでも夜おそくまで眠れなくなる場合、
- デカフェの飲み物を取り入れてみる
- カフェインをとるのは午前中だけにする
- ノンカフェインの飲み物(ルイボスティー、麦茶、たんぽぽコーヒーなど)にする
という対策をおすすめします。
カフェインのとり過ぎによる副作用に注意
さまざまなメリットがあるカフェインですが、言ってしまえばカフェインの効果は少しのあいだ脳をだましているだけです。とり過ぎると、それがデメリットになることもあります。
とり過ぎてしまったときに表れる症状は、
- 睡眠が不足して、集中力が低下する
- 中毒になる
の2つがあります。順番に見ていきましょう。
睡眠が不足して、集中力が低下する
カフェインで脳が興奮しすぎると、眠れなくなることもあります。当たり前ですが、睡眠が不足している状態では仕事や勉強に集中できませんよね。
また、カフェインが切れて一気に疲れが出ることで、集中力散漫になります。
中毒になる
カフェインはとり過ぎると、中毒になって依存することがあるものです。中毒になると、カフェインをやめたときに
- 頭痛や吐き気
- 動悸やめまい
- 不安でたまらない、落ち着きがなくなる
- パニック発作
などの症状が出ることもあります。
そしてカフェイン中毒になると、これらの症状を止めるために、さらにカフェインを求めてしまうという悪循環をくり返してしまうのです。
カフェイン中毒について詳しく知りたいかたは「【徹底解説】カフェイン中毒とは?チェックのしかた、治療法を紹介します」をご一読ください。
効果的にカフェインをとって、集中力アップへ!
ここまで、カフェインと集中力の関係について紹介しました。カフェインをとるタイミングや方法、他の食べ物との組み合わせによって、あなたの集中力はもっと上がります。
とはいえ、とり過ぎて依存してしまわないよう、くれぐれもご注意ください。
ポイントは、
- カフェインをとるタイミング
- 量
- 食べ合わせ
です。
例えば、
- 午前中にコーヒーを1杯、眠くなる午後にかけて、昼寝の前にもう1杯飲む
- ひと口ほどの甘いものと、一緒にコーヒーを飲む
- コーヒーを飲む前にヨーグルトなどの乳製品を食べる
などのように、カフェインの効果を引き出すことが大切です。
「勉強や仕事でもっと集中したい!」
「カフェインを取りすぎず、かつカフェインの効果をうまく利用したい!」
と思っている方は、ぜひ試してみてくださいね。